「おくりびと」のNKエージェントがリニューアルオープン!
映画「おくりびと」の撮影場所になったNKエージェント(旧割烹小幡)が
近々リニューアルオープンします!(写真)
前の古い感じもよかったですが、きれいにリフォームされたのも素敵です。
また、「おくりびと」の撮影で使用された椅子が、
現在日和山公園の一角に展示されています。
もう10年以上前の映画ですが、何度見ても感動します。
特に感動するのが、主人公が幼いころに別れた父親を許す最後の場面です。
主人公は、父親を浮気で駆け落ちして自分と母を捨てたひどい父親だとずっと恨んでいました。
それでも、主人公は小さい時に父親と河原で「石文」という石遊びした記憶は覚えていました。
いろいろな事情で納棺師をやめようと思っていたそんなときに、
全く音信不通だった父親が漁村で一人さみしく亡くなったと連絡が来ます。
初めは行かないと言っていた主人公ですが、
周りの説得もあり、駆けつけると、
父は自分が子どもの頃贈った石を手に持って亡くなっていた…。
子どもを捨てて自分の事を何とも思っていないひどい勝手な父親と思っていたら、
実はずっと自分のことを心配していたことに気づき、
主人公は父を許し、自分で父親の遺体を心を込めて納棺します。
この場面が、大好きです。
さて、「おくりびと」は、庄内地方を中心にロケ地として撮影されました。
なぜ庄内で「おくりびと」なのでしょうか?
「おくりびと」のテーマは、火葬場の管理人役の笹野さんのセリフ
「死は終わりではなく、そこをくぐりぬけて、次へ向かうまさに門です。」
に集約されています。人は死にまた生まれ変わるという考え方です。
庄内の出羽三山を中心とする信仰風土はこれに一致します。
庄内の風習として今でも残るモリ供養は、ご先祖様の魂を供養する行事です。
供養して浄められた魂は少しずつ高い山に登っていって、
清まりきった魂は再び新しい生命として生まれ変わります。
こうした考え方を「祖霊信仰」といい、
古くは全国的にあったのが、時代とともにほとんど消えつつあります。
しかし、庄内にはそれが今でも残っている貴重な地域です。
庄内が「おくりびと」のロケ地となったのは、いろいろな都合もあったのでしょうが、
必然的、運命的なものを感じますね。
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